イノック・アーデン

イノック・アーデン

 

詩/アルフレッド・ロード・テニスン

訳/道下 匡子(みちした きょうこ)

定価:1,600円(本体)

ISBN:978-4-7500-0400-6

 

圧倒的な自然の恵みと脅威、揺るがぬ信念と無償の愛、生きること、そして死とは?

 

時空を超え、世界中の人々に深い感動をあたえてきた英国ヴィクトリア朝の偉大な詩人、テニスンの名作「イノック・アーデン」の鮮烈なメッセージが、今、岐路に立つ日本人の心をまっすぐ貫く。美しい音の響きもそのままに。

 

なぜなら、いま彼がすべての終わりを告げる、死の夜明けを目にした喜びは、難破船のやつれ果てた水夫が、荒れ狂う突風の吹き抜けたあと、海面に立ちこめる雨雲の切れ目から、生きる希望を乗せた船が、絶望した命を救おうと、近づいてくるのを目にする喜びに、勝るとも劣らぬものだから。(本文より)

 

アルフレッド・ロード・テニスン(1809~1892)

Alfred Lord Tennyson

 

英国ヴィクトリア朝時代の代表的詩人。美しい田園地帯、リンカンシャー州ソマズビーに生まれる。10代の頃から詩を書き始め、17歳で最初の詩集を出版。1827年、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジに入学。1829年、詩「ティンバックトゥー」で総長最優秀賞を獲得。1833年、親友アーサー・ハムラが急死。以後、17年の歳月をかけ、1850年、ハラムに捧げる詩集「イン・メモリアル」を完成、ヴィクトリア女王夫妻をはじめとする批評家たちに絶賛される。また、同年、ワーズワースの後継者として「英国桂冠詩人」に任命されるなど、テニスンの活動は絶頂期を迎える。みずみずしい旺盛な創作意欲は、83年の生涯、衰えることなく、今なお世界中の人々に広く読み継がれている多くの作品を世に遺す。

 

主な作品にThe Lady of Shalott(1832),「アーサー王の死」(1842),The Princess(1847),In Memoriam(1850)、「イノック・アーデン」(1864),Idylls of the King「国家牧歌」(1889)12巻完成、Crossing the Bar(1889) 他、晩年にはQueen Mary(1876),The Faicon(1879)など、戯曲にも力をそそいだ。

道下 匡子 (みちした きょうこ)

 

作家、訳本家。

1942年 樺太(現サハリン)生まれ。1960年AFS交換留学生として、札幌北高からウィスコンシン州の高校に留学。1967年ウイスコンシン大学ジャーナリズム科卒業。1967-69年ニューヨーク国連本部勤務。1970-79年 東京アメリカン・センターの文化担当として、フィルム、美術、音楽、文学から社会問題まで、現代アメリカ文化の現状を日本に紹介するなど、日米間の文化交流に力をそそぐ。

 

著書に「ブルー・アワー」(三一書房)、「ダスビダーニャー、わが樺太」(ノンフィクション文学賞蓮如優秀作、河出書房新社)、「センシャル・ライフ」(講談社)。訳書にローリー・ライル著「ほんとうの自分を求めてー自尊心と愛の革命」(中央公論社)、G・スタイネム著ジョージ・パリス写真「マリリン」アン・ビーティ著「あなたが私を見つける所」(草思社)他。

ブログ  ‘愛育社的日剰’

http://aiikusha.exblog.jp/

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